堺市南区、光明池駅から徒歩1分のもりもと泌尿器科クリニックです。
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コラム

泌尿器科にかかわるコラムをご紹介します

メタボリック症候群と尿の出方について

メタボリック症候群とは、肥満、コレステロールや血糖値が高いなどから動脈硬化が進み狭心症や脳梗塞などを引き起こす病気です。

この動脈硬化が、前立腺と膀胱で血の循環が悪くなりトイレの回数が増えたり、尿漏れを起こしたりします。また、血糖値が高い糖尿病では、膀胱の神経障害が生じて尿が出せない状態になることもあります。女性では、肥満で骨盤底筋の緩みが生じて尿漏れを起こしたりします。
その他にコレステロールが高い人のほうが前立腺癌になり易いなどの論文報告もあります。

この様にメタボリック症候群は、排尿に色々な意味で関係するので十分に注意が必要です。

前立腺癌の予防効果のある食べ物は?

食事と病気との関係は以前から言われていますが、最近になり前立腺癌にも食事に関連する因子が含まれることが報告されています。
食べ物では、ビタミンEや大豆、カテキンなどに前立腺癌を予防する可能性があることが言われています。

その中でもカテキン(緑茶に含まれている)は癌細胞の増殖を抑える効果を期待されており、前立腺癌の初期においてその進行を予防したことが学会で報告されました。また大豆に含まれるイソフラボン、リコピンなどが前立腺癌の治療後に癌マーカーが上昇することを抑えたことなどが報告されました。
いずれの成分も、まだ検証する必要性があるものですが、今後期待できる食べ物と思われます。


環境ホルモンと男の子

環境問題の中で、環境ホルモンが自然界の動物に影響していることが問題になっています。

環境ホルモンはいろいろなものに含まれており、それが体内の性ホルモンをかく乱してしまい胎児に影響を与えてしまうのです。
人間の男の子では、胎児期に睾丸が陰嚢内に収まらない停留睾丸が生じて、精子を作る機能に障害を受けることなどが問題となります。停留睾丸の場合では精巣の機能に障害が生じる時期近くには手術をすることが薦められています。
ヨーロッパの研究者からは、この停留睾丸が近年増加傾向にあることが報告されているので、入浴時やオムツ交換時に陰嚢の状態に注意しておいて下さい。

頻尿から見えること

トイレが近いこと(頻尿)は、様々な病気の初期症状を表している場合があります。

一般的に知られている前立腺肥大症や膀胱炎のほかに、例えばパーキンソン病の初期に手の震えや独特な歩行とともに頻尿が見られる場合があります。また、多発性脳梗塞や脳血管性認知症の症状としても夜間の頻尿や昼間の切迫感を伴う頻尿などが見られることもあります。そのほかでは、膀胱の癌や尿管結石でも同様な症状から発見されることがあります。

最近では、高血圧と夜間頻尿の関係なども報告されているので、頻尿が様々な病気を発見するきっかけになることがあります。窓からは色々な風景が見えるように、頻尿は病気の窓ではないかと思い私は日々の診療をしています。


知っていますか?前立腺炎

前立腺の炎症では、下腹に気持ち悪さやトイレの後に尿が残ることを感じたり、トイレの回数が多くなることがあります。また、違う症状では、股間の違和感や痛みから尿の出方が悪くなることが見られます。多くの方は膀胱炎?とか、年のせい?などと思ってしまいます。元々、前立腺は膀胱の下で股間奥にある男性特有の臓器で精液の分泌などの役割をしています。炎症が急性であれば高熱を出すことがあり、入院が必要となることがあります。慢性の炎症であればうっとうしい不快感から、うつ状態になってしまう患者さんもおられます。

知っておきたい前立腺癌
前立腺とは男性特有の臓器です。この前立腺にできる癌を前立腺癌と言い、この癌の発生が50歳以上の男性に多く見られる傾向にあります。初期の段階では症状はありませんが、病気の進行に伴い尿の出方が悪くなることや、血尿や腰の痛みが出ることで発見されることがあります。症状がある時には、骨や他の臓器に転移している場合があります。早期発見では、手術や放射線治療、薬よる治療で癌を積極的に治療できます。

太閤夜尿と前立腺
豊臣秀吉は晩年に夜間に尿が間に合わずお漏らしをしておりました。これを太閤夜尿と家来は言っておりました。

この太閤夜尿は、実は前立腺肥大症の進行した症状であります。前立腺肥大症の初期では、夜間に尿の回数が1回以上に増えて行きますが、進行してゆくと回数も増え尿漏れが生じ、更に症状が悪化すると腎臓が悪くなることもあります。太閤秀吉も悩んだ前立腺肥大症ですが、現在では薬で症状を改善することが可能です。

猛暑の後と尿管結石の間には…
猛暑では汗をかくと体の水分が少なくなるので尿は濃い色をしています。濃い色の尿は尿管結石の材料になる結晶がたくさん含まれています。これら結晶が溶けるように十分な水分をとり、体の水分を多くして尿が濃くならないように心がけましょう。このことに注意を払っていないと、猛暑の後には尿管結石や腎臓結石ができることがあります。特に尿管結石は結石が移動する時に血尿や激しい腰の痛みを起こすことがあります。

前立腺肥大症では、お酒と風邪薬にご用心

前立腺肥大症は年齢が進むにつれ男性にとっては避けては通れない病気の一つです。

前立腺が腫れることで尿が出にくくなる病気ですが、多くの方は年齢によるものと思われています。この病気がある方がお酒を飲みすぎたり、ある一部の風邪薬を飲んだりした場合には尿が出なくなることがあります。薬で治ることもありますが、ひどい時には尿道から管を入れ、溜まった尿を出す必要がある場合もあります。
普段から、以前よりも尿の出方が悪いとお感じになる方は十分に注意をして下さい。